日本には昔から「北枕で寝てはいけない」という俗諺があります。
理由は不吉だから。
良くないことが起こるなどとされていますが、眠る際の頭の向きがいったい何に関係してそのように制限されているのか、詳しくご存知の方は少ないでしょう。
睡眠時の頭の向きについて、真実を知れば、もしかしたらこれまで叶わなかった願いの実現すら引き寄せられるかもしれない可能性が出てくるかも知れません。

実は不吉じゃなかった!?「北枕」

眠る時に枕を北の方向に向ける「北枕」は死者の方角であるために不吉であり、生者は避けるようにと言われてきました。
しかし、実は北という方角は亡くなった人物を惜しみ、その復活と再会を願う気持ちを込めて選ばれた方位なのです。
「敗北」といった言葉からも分かるように日本では伝統的に北をマイナスのイメージで捉えており、自然と「よくないものなのだろう」と考える傾向があります。そのために死者を北枕にする風習と相まって「北枕」すなわち不吉、という思い込みが形成されました。

もともと北は健康運や金運を向上させる方位です。
なので、死者の安らぎと来世での安寧を祈る吉方位であり、これは生者にとっても望ましい意味をもつのだと考えられます。
金運、健康運を引き寄せたいと願う時には北枕で眠ると幸運に恵まれやすくなるでしょう。

南は人望を願う時の方位

日頃から北枕で眠っているのに願いが叶わないという方は、願いの性質と方角が合っていないのかも知れません。
北と正反対に位置する南は、人心を集める意味を持ちます。
健康運、金運には真逆の位置取りであり、収入アップなどには逆行する可能性がありますが、もしも仕事や人間関係で悩んでいるのであれば有効な方位になるはずです。

東枕・西枕で眠る意味

方角は南北だけではありません。当然東と西にもそれぞれの意味があります。
東枕には「仕事運」を引き寄せ、人間的に成長し、若々しい活力を呼び覚ます効果が期待できるでしょう。
また、西は恋愛運、金運などを安定化させる意味があるので、ピンポイントで悩みや願いを確定できない時に有効な枕の方位です。
東西南北それぞれに固有の意味があり、結局はどの方角を選んで眠ってもそれなりの効果は期待できるのだとも考えられます。しかし、「どの方位でも同等の価値がある」わけではありません。

東西南北の関係性を相対的に分析すればそれぞれの「力関係」が存在するからです。
より強い方角には隣り合う方角による効果を飲み込むほどの力が生まれる場合があり、願いの性質によっては「弱い方角」を選ぶと何ら力を得られないという可能性も認識しておかなくてはならないのです。
確実に願いの実現を引き寄せられる枕の方向はどちらなのか。
比較の上で選ぶのであれば、「北」か「東」を選ぶことをおすすめします。