現代に生まれた人間は、基本的に文明社会の中で生活を送ります。
日本から見れば秘境である「エベレスト」や「キリマンジャロ」ですら通信圏内なのですから、ネットワークを構築してきた人類の努力は確実な成果を挙げたのだと言わざるを得ないでしょう。「個」としての力の弱さを補うために。非力な生命体としての人間を生かし、増やすために。自然界の動物や災害に負けないように、人間は「集団」で生きることを選んだのです。
しかし、現代に至ってその「集団」という形が枷のような働きをするケースが増えています。

「人間関係」に悩む日本人

今、世界では自殺者が増えていると言います。
特に日本人はストレス大国とされ、世界で最も自殺者が多い国ランキング25にランクインしている状況です。
何がそれほど日本人を追い詰めているのでしょうか。

国や民間企業による意識調査を行ったところ、多くの日本人が人間関係にストレスを感じていることが明らかになりました。
職場、学校、家庭。
「人間関係」はあらゆる単位の所属団体における共通のストレス要因になっているようです。

ちょっとした感情の行き違いから、学校では生徒の転校、不登校や教師のノイローゼ、ボイコット。職場では出社拒否や退職。家庭においては家族崩壊などを引き起こすケースが確認されています。

人生を押し上げる「人間力」の醸造

ストレスからのうつ病、うつ病からの社会生活破綻というルートを通って、それまで思い描いていた人生の道筋から外れていく日本人は少なくありません。
しかし、同じような要素に囲まれていながら、壁を乗り越えて成功をつかむ人物も多いですよね。
彼らが難問に対して果敢に挑戦し、壁を乗り越えられたのは生来の幸運だけではなく、後天的に身に着けた「人間力」が武器になったからです。

今と言う時代は、実質的に世界のどこにいても人間社会から離れては生きていけません。日本国内ではなおさらでしょう。
人間関係を円滑に取り持ち、自らの存在範囲を確固たる地盤の上に築くだけの「人間力」が、社会を泳ぎ渡るための「櫂」となります。

ここで言う人間力とは、いくつかの対人スキルによって構成される資質という意味です。

・自分と相手の心を開いて、開放的なコミュニケーションを取れること
・相手の心に働きかけ、相手の心をくみ取り、満足させ、また、自分の目的をも満たす行動をとれること
・壁に突き当たってもへこたれず、勇気をもって努力できること
・自分の意思で行動を選べること
・自分なりの見解を常に持っていること

同じようなスキルを持ち、同じようなレベルの見た目をしている人物がいたとします。
明るく前向きに問題解決に取り組むバイタリティあふれる好人物と、いやいやながらに問題解決に動く嫌味たらたらの人物だったら、あなたはどちらと仲良くしたいですか？
人間力とはそういうことです。
成功を引き寄せるプラスのエネルギーを発する人物のもとには幸運の光が集まります。
現代社会のなかでは、前向きな波動によって良い影響を与えてくれる人間関係の中に身を置き、彼らと肩を並べること。また、そうなれるように努力することこそが、成功の秘訣なのです。